スタッフブログ
お知らせ

第51回 日本慢性疼痛学会 報告

2022年2月25~26日に,オンデマンドにて第51回日本慢性疼痛学会が開催されました.

当院からは,3名(金原,佐久間,河合)の理学療法士が参加しました.

 

今回,新型コロナウイルスの蔓延防止の影響で,オンデマンドによるweb開催となりました.当院の発表内容を簡単ではございますが,紹介させて頂きます.

 

 

金原(非常勤)は,「慢性疼痛患者における異なる脳機能トレーニング(選択抹消課題とN-back課題)の鎮痛効果」という内容で発表を行いました.

慢性疼痛を抱えた方は,運動することで鎮痛効果があるとされています.最近では,運動だけでなく,頭を使った作業を行うことで,鎮痛効果が得られるといわれています.

2つの脳トレを行い鎮痛効果が高いかということについて,調べました. 

その結果,選択抹消課題という課題(脳トレ)を行うことで,脳が活発になり,鎮痛効果が得られたことを報告しました.

図.選択抹消課題
赤い丸で囲んだ絵柄と同じものをすべて選択する課題です.

佐久間は,「慢性疼痛患者のプレゼンティーイズムには運動恐怖感が強く影響する」という内容で発表を行いました.

プレゼンティーイズムとは,健康問題(慢性疼痛)を抱えたまま勤務することによって,仕事のパフォーマンスが下がることを指します.

慢性疼痛を抱えた方のプレゼンティーズムは,運動に対する恐怖感(動くことで痛くなりそう,動くことが嫌だなという気持ち)や不安な気持ちなどと関係していることとが明らかになりました.

今回の結果から,慢性疼痛を抱えた方は,動くことに対するネガティブな感情が仕事のパフォーマンスを下げていることを報告しました.

 

 河合は,「自己効力感の低い慢性腰痛患者に対する認知行動療法とペーシングの効果」という内容で発表を行いました.

痛みを抱えた方の自己効力感とは,「痛みがあっても○○できる」という前向きな考え方のことを指します.自己効力感が低い方だと,一度痛みを体験してしまうと,痛みがあってできないと自信をなくしてしまうことがあります.

そのため,理学療法では,現在生じている痛みの原因について繰り返し説明し,ご自宅で行うトレーニングをペース配分したことによって,「痛みがあってもご自宅で運動できる」といった成功体験を得ることができました.そして,ご自宅での運動の継続をしたことで,筋力が強化され,「痛みがあっても生活できる」という自信に繋がった患者様のことを報告しました.

 

今回の学会発表から,私自身も慢性疼痛について明らかになっていないことが多いと

改めて実感しました.

 

今回の学会発表にあたり,ご協力いただいた患者様,

ご指導いただいた先生方に改めて厚く御礼申し上げます.

 

 一覧へ戻る 
PAGE TOPPAGE TOP