懇話会の内容は,医療用バーチャルリアリティ(VR)や拘縮肩(いわゆる五十肩)等を中心とした話題でした.
皆さんは, VRについてご存知でしょうか.
VRは「仮想現実」と訳され,限りなく実体験に近い体験が得られることです.
身近なものとして,動画配信やアミューズメント施設にも導入されています.
このVRを用いることで,実技を含めた勉強会を全国どこにいても受けられるようになります.医療分野は,どうしても実技の勉強や講習が不可欠ですが,コロナ禍の現在では難しい状況が続いています.そんな厳しい状況を好転させてくれる画期的なツールです。
また,聴覚,視覚,触覚まで用いたリハビリテーションへの活用も期待できる側面もあります.
最近の論文では,痛みを持つ患者さんに対するVRの効果が実証されてきています.さらに,痛みだけでなく,脳機能(注意や認知機能)の改善も期待でき,楽しみながら心身のトレーニングができることが立証されています!
写真は金原先生が実際にVRを体験しています.
五十肩は身近な方にいらっしゃるのではないでしょうか.
当院では,肩の痛みを訴えて来院される方は多くいらっしゃいます.
今回の講演では,「痛みの有無に関わらず,肩の運動制限(拘縮とも言います)に対して,
拘縮筋(運動の制限となっている筋)を緩めて,拮抗筋(運動を行う際に反対の動きをする筋肉)の筋力維持を図ることが重要」という部分がとても印象的でした.
これは,医師と理学療法士が共同して治療を行う必要性があると改めて実感しました.
最近は,理学療法士が超音波(エコー)による評価ができるように日々精進しています.
久しぶりの懇話会は,大変良い刺激をいただきました.
県内の新型コロナウイルス感染者もなかなか減少傾向までは至っておりませんが,感染対策を徹底しつつ勉強会に参加したいと思っています.
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